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執筆者の写真株式会社あわえ

神奈川県唯一の過疎地真鶴町 サテライトオフィス誘致の挑戦


品川駅から1時間半ほど電車で行くと、神奈川県唯一の過疎地である真鶴町に着きます。真鶴町は神奈川県の南西部に位置し、町名は諸説あるようで、真鶴半島の形が、鶴が羽を広げたように見えることから名づけられたそう。人口6,900ほどの真鶴町は、漁業がさかんであり、なんといっても現在存続する石材業で最古の歴史を持つことで有名です。皇居の石垣や鎌倉高徳院の大仏の台座など様々な歴史的建造物に使用されています。株式会社あわえにとって初めての徳島県外でのお客様である真鶴町。その始まりと、現在に至るまでのサテライトオフィス誘致の軌跡を追います。

真鶴町との出会い

「真鶴町との出会いは何だったのでしょう?」

弊社取締役 吉田(以下吉田)「最初は神奈川で開催したセミナーがきっかけでした。ちょうどあわえとしても徳島県外のお客さまを創ろうと動いていたタイミングです。セミナーが終わってから、真鶴町役場の担当者とお話したことがきっかけで、サテライトオフィス誘致に興味を持ってくださっていました。」

「最初はどのような支援だったのですか?」

吉田「真鶴町でサテライトオフィス誘致に取り組むことの可能性を調査する事業でした。真鶴町に足を運んで、地元の事業者さんや観光協会さんなど地域団体、様々な方々からお話を聞きました。また、サテライトオフィス誘致に取り組むにあたり、サテライトオフィスを認定する協議会を創りたいという構想も支援しました。当時はこれ!というサービスメニューが決まっていたわけではなかったので、文字通り手探りでのお手伝いでした。」

「調査の結果、真鶴町のサテライトオフィス誘致に関する可能性はどうだったのでしょう?」

吉田「多額を投資せずとも、サテライトオフィス誘致が可能な環境が真鶴にあった、ということがわかりました。真鶴町の方針で、行政の資源が小さい町なので、補助金による移住促進やサテライトオフィス誘致は行わない、と明言されていました。補助金の切れ目が縁の切れ目になってしまい、長く真鶴町に関わってもらうことが難しいからです。その分、進出企業を徹底的にサポートする地域の受け入れや伴走に力をいれる方針だったので、その姿勢が分かったのも大きかったですね。」

「それから、継続してお付き合いがあったのですか?」

吉田「それからは、弊社が主催するマッチングイベントに出ていただき、PR支援、サテライトオフィス誘致担当者の採用や育成など幅広くご支援しました。支援が始まってから2年目、2社のサテライトオフィス誘致に成功し、いい形のスタートだったと思います。軌道に乗ってからは、月1のアドバイザーという形で支援していました。しかし、担当者のご異動もあり、1年間契約が切れてしまったこともありました。」

「そこから、今度は新しくあわえが常駐メンバーを置き、拠点を設けての支援に切り替わったのはなぜなのでしょう。」

吉田「正直、月1のアドバイザーという形では支援内容にも限界がありました。改めてサテライトオフィス誘致に一緒に協働で取り組んでほしい、というオファーをいただき、それならばこちらもリスクもとって、いち住民としても支援できる形を提案し、現在の形となりました。」

弊社取締役の吉田(右)と、真鶴オフィスの松木(左

サテライトオフィス誘致の課題

「真鶴町のサテライトオフィス誘致のターゲットは?」

松木「真鶴の主要一次産業である、漁業と石材業を支援する企業です。それから、とにかく真鶴が好き!で真鶴に来てくれる個人事業主です。実は、移住者のおかげで、小学校のクラスが増えたという事象まで起こっています。過疎地とは思えない事象です。ターゲットは明確ですし、やるべきことも明確ですね。」

「漁業と石材業の支援とは、具体的には?」

松木「漁業では、このあたりだと定置網漁が盛んなのですが、近年海が変わって、とれる魚が変わってきています。また磯焼けの問題もあり、漁獲量にも影響を及ぼしています。とれるものが変わってしまうと、従事者には高齢者も多く、どう扱っていいかわからない、干物にするにも、違う魚はちょっと・・・とせっかく技術があるのに敬遠されてしまいます。石材業では、石材をどう資源として付加価値をつけているか、再利用していくかということが課題です。両方共通して言えることは、担い手不足であることです。」

「担い手不足や技術の応用、環境変化への応用、再利用として価値を見出すことなど、企業にとっては新規事業や自社技術の応用など活躍の場が期待できそうですね。」

松木「そうなんです。町の方針でもある、補助金を頼りにしないサテライトオフィス誘致のためには、企業のビジネスの種を一緒に見つけ、育てていくことが必要だと思います。」

真鶴の石材でつくっていただいた真鶴オフィスの表札

続けることとつなぐこと

「サテライトオフィス誘致も累計6社と成果も出てきて、Uターンでもある松木さんの加入でますます真鶴町の取り組みは加速していきそうですね。」

吉田「そうですね。でも、僕はもっとできると思っています。真鶴町ほどのポテンシャルがあれば、爆発的な成果が期待できると思います。先日のマッチングイベントでは16社からのオファーがありました。」

「なかなか、企業のニーズがあっても進出するまでは難しいのでしょうか。」

松木「いえ、むしろ今、真鶴でビジネスを新しく興して継続してくだっているのは移住者の方が多いです。真鶴が好きで、真鶴のここ素敵だね!と言って事業を興してくれる人が多く、移住者や外から来た人の中では『真鶴めっちゃいいな~!』の空気があふれています。ただ、移住は増えているけど定住は減っているという数字が出ているので、地元の人は外から来た人には、どうせ出ていくんだろう、という気持ちは正直あるのかなと思います。」

「なるほど。全員が定住とはならないけれど、ぜひ地元の方にはたくさんの地から真鶴を選んで挑戦してくれている企業さんの良き理解者・応援者であってほしいですね。」

松木「はい、その内と外をうまくつなげて、いい空気感を醸成できれば、全体としてより良い方向に変わっていくのではないかと思っています。」



「それこそが、あわえの存在意義だと思います。内と外をつなぐハブ役。このハブがいることでコミュニケーションが生まれ、新しい関係が構築され、いい空気感、つまり内も外も関係なく、『真鶴のために』一緒にやろうよ!という一体感が生まれますよね。」

松木「そのためには、何度も何度もコミュニケーションをとり続けること、内外をつなぎ続けることが、自分の役割だと思っています。」

真鶴町のなぶら市で、地元の方々と交流する松木


これからの挑戦

「まずは、ハブ役としてもそうですが、松木さんの存在を知ってもらうことからですかね!」

吉田「あわえが、とか地域おこし協力隊で、というよりまずは、『松木 一平』を真鶴町の人に認知してもらうのが重要だと思っています。松木くん、実はコーヒー屋さんとしての顔を持っているんで、そこを活かしてほしいですね。」

松木「たしかに、近所の方には『今日コーヒーやってないの?』と、コーヒー屋さんで通っています(笑)前職でコミュニティカフェを通じた地域とのかかわり方が心地良くて、真鶴でも継続していきたいと思っています。」

吉田「あわえが進出している真鶴のオフィスはコワーキングスペースでもあり、実はシェアキッチンもついています。進出したサテライトオフィスとの地元の人が食を通じて交流できる機会も創れるのではと思っています。真鶴はアクセスも、自然環境もいい、やる気のある人も多く、地域資源や課題もある。サテライトオフィス検討企業にとって、魅力的な地域です。それらの良いものがうまく組み合わせることで、爆発的な成果を上がると思います。常駐してくれている松木くんと一緒に頑張ります。」

松木「私も真鶴町にUターンしたのは、可能性がすごくある町だなと思って戻ってきています。それを現実にするためにも、まずは自分の役割である『企業を呼んでくる』『呼んだ後のフォロー』を確実に丁寧に、ひとつひとつ積み重ねていきます。」

あわえ真鶴オフィスのある真鶴テックラボにて

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